Mastodonについて考えたこと、felesitas.cloudでやってきたこと

こんにちは、こんばんは、おはようございます。

私は私の個人Mastodonサーバー「felesitas.cloud」の鯖缶であり、モデレーターもしている雨宮凪沙(nagiko)です。

 

今回の記事は、Fediverse (2) Advent Calendar 2021の16日目の記事になります。

前日15日は、やしやしさんのMastodonサーバーを3ヶ月ぐらい運用して | やしやしのブログです。

Minioには興味があるので、すごいなぁと思ってみておりました。登録解放サーバーも作られるということで、ファイトです!!

 

 

皆さま多様な記事を書かれていて、それぞれでMastodonへのかかわり方があるんだなと感じながら読んでいます。

 

今回、私は、fediverseにやってきて考えてきたこと、また、felesitas.cloudでやってきたことなどを出来る限りすべてここで記述してみたいと考えています。なので、超長文になっていたらごめんなさい。

 

先に断っておくと、この記事の中で出てくる名称や時期など、あやふやで不確定なものも多いです。また意見などが書かれている場合も、すべて私一個人の見解によるものとなります。ご了承ください。

 

また、雑に記述しているところもあり、時系列や関係性があっちゃこっちゃに飛ぶ場合が頻繁にあります。すみません。

 

 

 

現在の使用感

 

fediverse、もとい今は自鯖の1アカウント↓で使用しています。

 

felesitas.cloud

自分は自鯖内で興味が完結するということはなく、現在2800人ほどフォローしています。

 

ずっと前にfediverseをやめている人もいるのでしょうが、良いなと思う人をフォローし、その方がBSTしている方をフォローし、と繰り返していき、この数になりました。

 

大規模サーバーでもこれ以上の数のフォローをしている方もいらっしゃり、アカウント移行が傍から見ても「すごいことやってるな…」と思うような出来事として思い出されます。

 

自鯖の開設が4年前の6月末になるので、4年と何か月か、ほぼ毎日SNSに浮上していることになりますね。

今は、そんな自分のサーバー、自分のアカウントを見ることが日常になってしまいました。

好きなドメイン名、自分で借りたサーバー(もちろんお金を払って、)、自分のアカウント、自分の場所……

twitter等だと「自分のアカウント」という感じは、Mastodonに比べて弱いと思います。それだけ愛着が沸くということだと思います。

 

最近は新たにフォローする頻度も減ってきていますが、pawooからは興味のある絵を描いていらっしゃる方がいるのでちらほらとフォローする感じです。最近になって逆にJPに新規に入った方がBSTで回ってきて、言葉遣いが怖くなさそうで感じのいい方だったりするとフォローすることが増えてきています。

 

歩いて駅について電車を待つ間「あつい」だの「さむい」だのと言って、素敵な絵が回ってきたらBSTして、そんな風にゆるゆるとSNSに向き合っています。

本来はそんな感じでいいんだろうな、自分にはこの感じで今は合ってるんだろうな、と感じています。

 

 

サーバーの変遷 (技術的話題)

 

さて、今まで自鯖と言ってきましたが、felesitas.cloudというサーバーは、自分一人だけのサーバーではなく、アカウントを取得した方が他にもいます。

よって、鯖缶としてサーバーを運用し、これまでサーバーを何度か移転しながら、今日までやってこれています。

鯖缶として少しだけサーバー遍歴について書き残しておこうと思います。

 

最初は、さくらのVPSを使用していた記憶があります。

(さくらのサーバーの方かVPSの方かうろ覚え、たぶんVPS)

さくらのサービスで、(覚えてる人いるかなぁ……)スタートアップスクリプトなるものが実装されたという知らせを聞き、Mastodonのユーザーの何人かがそれを使って自鯖を作ろうとなった流れがありました。

その流れに自分も乗っかり、自鯖を作成し……

 

ここできちんとサービスが立ち上がってくれていたらよかったんですけれどね……

立ち上がらなかったんです。上手く。

なので、まだ自鯖を建てている人が少なく、知見を共有している方も少ない中、数少ないブログを参考にしながら、1か月ほど?かけて、どうにかこうにか立ち上げられた、という記憶があります。

その時私はHTMLを小中学校で習った程度で、HPも自分で建てたこともなく、レンタルサーバーも借りたこともドメインを購入することも初めての経験でした。

 

Linuxは大学時代から触っていたのでコマンドには忌避感はなかったのですが、gitの操作がおぼつかない、postgresqlのDBを作るのにも一苦労、うまくいったかなと思ったらアプリケーションが立ち上がらない、等々……

とにかくトラップにははまりっぱなしでした。おまけに、自分が良く触っていたのがubuntuで、さくらのスタートアップスクリプトで立ち上げられるのがCentOSだったので、コマンドの違いやファイルの構成の違いに戸惑ったり、ということが結構ありました。

 

どうにかこうにか立ち上がったのが2017年6月29日でした。

この時、同じくらいに立ち上がったのがmstdn.beerで、勝手に親近感が沸いていました。

mstdn.beer

今は本当に大所帯になり、ひとえに鯖缶のえすとさんの尽力だなぁ、と思いながら、びあさばにいる面白おかしい愉快な方々の歓談を見ていたりします。

 

この時felesitas.cloudは、まだdockerの中で動かしているような状態でした。初めは招待リンクという仕組みもなく、新規登録を受け付けるか受け付けないかでしたので、いろいろと大変だったことを思い出します(後述)

 

そのうちドキュメントが整備されるようになり、鯖缶界隈で「まずドキュメント見ようぜ」ということが一般的になり、docker運用が推奨?ではなくなったあたりに趨勢を誇っていたのが、かのknzkサーバーでした。

 

knzkサーバーを見て、「あぁ、コミュニティは、技術的な柱と精神的な柱が2本あると上手くいきやすいんだなぁ」みたいなことを思いながら見ていました。

そのうち、knzkサーバーの鯖缶さんからお教え頂いた会社のVPSにサーバーを移すことにしました。

 

www.kagoya.jp

ゴヤVPSに移転をして良かった点は、日本の会社であり、価格が安かったことです。

ただ、安さを極限まで求めないのであれば、私は後述のサーバーの方をお勧めしたいです。

というのも、サーバーの中をいじるコンソールがカゴヤだと1対1応答のような感じになるからです。

 

ssh接続が落ちることもしばしばあり、落ちると再度ログインするためにある特定のコマンドをフォームに打ち込んで……というようなことをしなくてはならず、また、CPUの処理速度が遅めなため(サーバーを再度移転したとき速さに驚いた)、価格の安さを追求する人向け、なおかつ技術レベルが高めの人には向いているサーバーであると考えています。

 

(コマンドをコピペしてエンターを押すとしばらくして表示される結果表示の中に、ここのサーバー特有?のエラー文がランダムな位置で入ったりして、その原因は結局分からずじまいだったり、apt upgradeでupgrade出来ないアプリがあったり(その原因もサーバーでストップしているのでは?という結論に至る)と、癖の強いサーバーであると私は思います。)

 

ただこのVPSは、サーバーの状態監視は個人的に見やすくていいなと思います。

 

CPUが非力で、使用率が半日ぐらいで100%に到達しサーバーが落ちる、ということが頻発することが予想されたため、sidekiqのキューをdefaultとそれ以外に分けたスレッドを2種類用意し、微妙に時間をずらしてsidekiqだけ再起動させ、完全に落ちないけれどCPUへの高まりはリセットする、みたいなことを行っていました。

この提案をお教えいただいた、また、その他立ち上げから様々なことを親身になって教えて頂いた鯖缶の皆様、特に雪餅さんには、今一度感謝をここで述べたいと思います。

 

toot.yukimochi.jp(貴方無しには今日のfelesitas.cloudはありませんでした。本当にありがとうございます。)

 

 

ランダムなエラー文が頻発しもう耐えられない、となった段階で、現在使用しているAWSのlightsailに移動してきました。

aws.amazon.com

ゴヤのころからRoute53とS3は使用しており、lightsailが値下げをされたタイミングでlightsailを知ったので、こりゃあ良い!となり移住をしたと記憶しています。

 

どうせなら全部アマゾンで、という作戦ですが、今日までスペックには大体満足しています。

現在の構成ですが、

全ユーザー:18人

ディスク使用量:PostgreSQL 56.4GB、Redis 18.1MB

で、

4 GB メモリ・2 コア・80 GB SSDの、20 USD/月で契約しています。
 
 
特にスペックの面で困ったことにはなってはいないのですが、ちょっと困った現象として、
(これは自分がちゃんときちんと監視サーバーを建てて監視をしなきゃいけないんだろうなぁ、と思いながら)
sidekiqがそんなに集中しない時間帯に、急にCPUの使用率が上がり、サーバーの挙動が停止するようなことが偶発的に起きています。
 
 
(前に合ったようなCPUが非力のため頻発してサーバーが落ちるということはなく、何が原因なのか全く身に覚えがない)
この現象が起きるのは5~10分くらいではあるのですが、恐怖ではあります。
また、気づかれた方もいると思いますが、長く運用してきているためDBがかなり重たくなってきており、拡張か外出しを行わないといけなくなってきている状況にあります。
(直近でpostgresqlを14まで上げようとした際、容量が少なすぎて断念した)
 
 
このlightsailはSSDの容量が厳格に決まっており、スケールアップもできないので、自由度の高い、それでいて同じような料金のところに移転しようと考え、候補に挙がってきているのが、linodeです。
 
www.linode.com
 
ここは顔見知りの鯖缶さんも多く利用しているサーバーなので、現在このエントリーが書き終わった段階で移行作業を進めようかな、と考えています。(ただここも、少し前にtokyo以外とtokyoとのリージョン同士で通信ができない、というような障害が起きているようで、用心は必要だな、と考えています。)
 
技術的な話はこんなところでしょうか。


felesitas.cloudというサーバー

 
さて、初期に人を受け入れるとき大変だったという話をしましたが、私のサーバーは個人のサーバーとして運用しています。しかし、私だけのおひとり様サーバーというわけではなく、他にも人を呼び入れています。
 
その際、ルールを設け、その障壁をクリアした方に招待リンクをお送りしています。
 
昔は、「開放する」か「しない」かのチェックボックスをつけるかつけないか、だったので、間違ってアカウントを作成した方が1名いらっしゃったりしていました。(入りたいと思ってもらえるだけ嬉しいんですけどね)
 
 
そのルールというのが、
 
「アカウントをこの鯖の他にも持っている方(Mastodonやfediverseの挙動をある程度理解している)」
「ちゃんとfelesitas.cloudの利用規約やプライバシーポリシーを読んでおり、内容に同意してくれた方」
「ちゃんと意思疎通ができる人、話を聞くときは聞ける人であることが確認できる方」
 
ことをしっかりと確認をします。
そしてその後、ある問いを投げかけることにしています。
 
 
「あなたの好きなものは何か、その好きなものについて、どのように自分は好きなのか、またはなぜそれが好きなのか」
 
 
です。
 
 
この答えを送っていただいて、それに返答する形で自分が答えを書いて、相互理解ができた、となれば、招待リンクをお送りしています。
 
 
このとき、mastodonで記述できる最大文字数が500字なので、それ以上の熱量がある方、という趣向で、500字以上の文章で書いていただくことをお願いしています。
 
 
(以前私に話しかけることもなくいきなり長文をお送りされた方がいらっしゃいましたが、その方の申請は却下しました。
理由はきちんと意思疎通ができないのではないかという疑いがあったからです。
Adminとして、サーバーを止めたり、投稿してほしくない画像や投稿をした際に止めてもらうことなど、どうしてもお話を聞いていただかなければいけない時が出てきます。
 
そのようなとき、話を聞いて貰えそうかどうかを判断します。
自分がちゃんとその方をフォローし、しばらくその方の投稿内容を見て判断した後、きちんとこちらと1対1でお話しして、先走ることや曲解、きちんとこちらの発言したことに対して受け止められるかどうかを見て、自分のサーバーへアカウントを作ることを許可しています。)
 
 

なぜ「好きなもの」なのか

 
ここで、なぜそのような「自分の好きなこと」などというものを聞く、というへんてこな制約を課しているのか、についてなのですが、それには理由が複数あります。
ここで複数挙げてみることにします。
 
 
自分がサーバーを建ててみて、人を入れることになり、そこで初めに思いついたのは、自分は精神障害を持ち合わせている、メンタル面でもそんなに強くはない人間であり、公開サーバーで玄関を常時開放できるような心を持ち合わせていないな、ということでした。
 
 
ですから、あくまでこのサーバー(昔は「インスタンス」と呼んでいましたね、この呼び方はちょっと愛着があって好き)は、自分の個人サーバー、ということにしたのです。
 
 
また、自分は案外ケチというか傲慢なところがあり、「これだけ自分のサーバーとしてお金を払っているんだぞ」という意識が結構あります。
だから、お金を払い続けている自分の庭のような場所で、Botまみれになることは避けたいな、と考えました。
言い換えれば、「自分でサーバーを契約している自分のサーバーで、Botまみれにはされて欲しくない」ということです。
 
 
また、サーバーに誰かを入れると、そのサーバーの責任者として、そのサーバーを管理する必要が出てくるなと考えました。
私はあまり融通の利かない人間であり、こだわりの強い人間ですから、他の方を信頼し、モデレーター(初期のころはモデレーター機能もありませんでしたね、そういえば)の権限を渡して、管理してもらうことが、どうにも納得できないことが出てくるのではないか、と思いました。
 
 
また、上記で書いたように、ITの技術者になりたいな、という思いがあっても、技術は素人ですから、管理の方法として、「毎日、自分のサーバーに投稿されたものをすべて見て確認する」という、かなり原始的な方法しか思いつかなかったのです。
自分のサーバーに投稿されたものだけでも、見て確認し、問題があればそれを自分自身で指摘し、削除してもらうか、別の形で投稿するか、やむを得なければ自分の方で何らかの処置を行う、という方法をとっていくしかない、と思いました。
(初期のころはそういえばサイレンス機能もなかったなぁ……)
 
 
私はMastodonに来た時、ADHDASDの併発を抱え、希死念慮を薬でどうにか抑えていたような状況でした。
そんな中で、ローカルで、自分の見たくないような投稿等を毎日見なければいけないのは辛い、特に、自分の知人同士の仲が悪くなり、口論や諍いが自分の見えるところで起こり、それをずっと見なければいけないのは余りに辛いと考えました。
 
 
なので、「自分のサーバーは自分の庭のようなものなので、その中で各人それぞれが口論になって荒れてほしくない」ということ、
 
 
繰り返すと、
「自分でサーバーを契約している自分のサーバーで、botまみれにはされて欲しくない」
「自分のサーバーは自分の庭のようなものなので、その中で各人それぞれが口論になって荒れてほしくない」
この2点を軸に、当時のMastodonの機能を使って、どうすればよいかを考えました。
 
 
そこで思いついたのは、その人自身の人となりが分かる文章を書いてもらうことでした。
Mastodonの標準の投稿上限文字数が500字ですから、それくらい、もしくはそれ以上の文章を書いてもらって、その人(?)が本当に人かどうか、を自分が判断すればいいのではないか、と考えました。
 
 
文章というのは、皆さんそれぞれ味があります。
何を対象にどういったことを普段思っているのか、そのことに対して自身はどう向き合っているのか、を書くだけで、たとえ同じものが好きであっても、個人個人が体験してきたことや考えの癖などで、多様に表現が分かれます。そして、その文章は、きっと、まだ、機械には生み出すことは出来ない、と思いました。
 
 
(だからこそなのですが、もし、もし自分が、相手のことを本当に気に入って、その方の書く文章も素敵だと思って、アカウント作成の許可を出したとして、その相手の実態が肉体を持たない機械だったとしたら、私は歓迎すると思います。
密かに、その日を待ち望んでいるくらいなのです。
 
また、とても酷いことを言うようですが、その対偶、というのは(具体例は記述しませんが)、私はアカウント作成許可は出さないと思います。私はとてもケチな人間だと自分でも思います。)
 
 
この時点で、文章を書いてもらえばいいとして、どのようなことを書いてもらえば良いか、を考えました。
そこで思いついたのが、どんな方でも、自分がお気に入りのもの、好きだなと思っていること、ものについては、言葉を紡ぎだせるんじゃないか、と考えたのです。
 
 
さいころからりんごが好きならりんごを書けば良いですし、何かの作品(漫画、アニメ、ゲーム、映画、本、音楽、その他なんでも)が好きなら、そのことを誇りをもって書けば良いと思っています。
 
 
(自分が高校生くらいのころに出会ったのですが、糸井重里さんがどこかのメディアでお話ししていた内容が心の中に残っています。
いまそのまま引用することが出来なくて心苦しいのですが、自分の解釈も込みで書いてみます。
生きていく中で、頑張る場面というのはどうしても出てきて、そこでどうしようもないくらい大変な状況に陥ることがあります。
そのような場面に出くわすと、どこか人間は、どこか無理をして、曲がったり、歪んだりしてきてしまう、と。
そのような歪みが出てきてしまう、それがその人の味だ、という内容でした。
私は、その文章をどこかで覚えていて、規約を考えるときに思い出したのだと思います。
人間が歪んだり曲がったりして、それでも頑張ろうとして、何かにどうしようもなく縋ったり、追い求め続けてしまったもの、偏愛とでも言いましょうか。
そのような人、ある種のオタクですかね、私はそのような人に魅力を感じるのだと思います。
ただ真っすぐに育って、そのまま来てしまった方も、もちろんいらっしゃいますし、私がどうこう言うこともないと思います。
ですが、このサーバーに集まる人が、強烈に物事に対して向き合っていたり、何かを好きでいたりする人が多いのも、上の理由によるものかもしれません。
好きなものなんてない、あるけど500字以上なんて書けないよ、という人がいらっしゃるかもしれません。私はそれはそれで良いのではないかと思っています。)
 
 
その方の構成要素の一つなので、とてもその方にとって大事なものであると思っています。
それをわざわざ時間を割いて書いて頂くので、大事な文章であると考えています。
その文章を受け取り、こちらも一文一文汲み取って理解し、その文章を受け取ったことにより出てきた自分の感情だったり、知識だったりを、こちらもお返事の文章にし、書いて頂いた方に返すことで、その文章をお送り頂いた方は、これまで皆さん喜んでいらっしゃいました。
 
 
その文章に丁寧に向き合い、お返事を書くので、大抵受け入れる作業の時は、かなり時間と体力、精神力を使います。
自分の文章にそのような丁寧な返しが来ることはないのではないか、と、思っている方は、自分の返答が来ることで、理解してもらったんだ、という気持ちになるのだと思います。
その方が持つ良い面を、最初に分かること、そして、入る方からすれば、こんなに自分のことを分かってもらえたんだ、という安心感、その両方があって、安心してサーバーに来てもらえる、来れる、というのがあるのだと思います。
 
 
そして、最後に入る前に、
「貴方の熱意と同じような熱意を持った方々がこの中には沢山おります。だからどうか、違うものに対してであっても、同じ熱量のベクトルを持つもの同士、互いにリスペクトし合って交流してくださいね」
と伝えることを忘れないようにしています。
 
 
互いにリスペクトし合うことは、荒れないために一番必要なことだと思っています。だから、こうやって伝えることで、お互いに大切なものを持っている人同士、誇りに対して賞賛し合うような場が作れたらいいな、と考え、このようなことを伝えています。
 
 
この一連の流れを踏むことで、
Botまみれにならない」
「ローカルで荒れない」
ことが可能になると思い、かくして、fediverseの中でも、このような奇妙な制約を課して、今日まで稼働しています。
 
 

ある種の「賭け」と、その勝敗

 
こんなことをしていれば、新規さんが入らないのも仕方がありませんね。
 
 
ただ、私は、上記のような運用方法を考えたときに、ある種の「賭け」をしていたと思います。
 
 
当時はmstdn.jp、pawoo.net、friends.nicoの3大インスタンスがあるころで、この先もどうなるかは分からない、そんな感じがありました。
 
 
fediverseという仕組み、分散型SNSという考え方に、私は当時、とても優れているものだな、と感じたことを覚えています。
そして今も、その考えは変わっておりません。
 
 
私は過去、2011年の大震災の前後あたりからtwitterを使い始めていた記憶があります。
Twitterは当時、2000人のフォロー上限があり、それ以上は、ある程度のフォロワーがいないと、フォローが出来ないような仕組みになっていました。
まだTwitterのいいね欄がふぁぼと言われていた時代、まだハートマークが星型だった時代ですね。
 
 
当時から現在fediverseにいらっしゃる界隈(ほたさん率いる末代鯖(AndroidOS等)勢、ておくれでお馴染みだったmikutter界隈等)はtwitterで遠くから観測はしていた記憶があります。
 
 
そのアカウントは、その後最終的に、twitterの日本運営から、2度の警告を受け、最終的に凍結されてしまいました。原因は分かっておりません。憶測のみがあるだけです。
 
 
この経験があったので、Mastodonが流行る前にいた場所で、Mastodonというものがある、ということを知ったとき、嬉しかったのを覚えています。
 
 
自分でサーバーを建てれば、自分の投稿が日本の法律に触れない限り、検閲も凍結も、Banされることもないこと。
自分の興味がある人を好きなだけフォローしても、自分の技量によって面倒を見れること。
twitterのサーバーが落ちた時のようにはならず、どこのサーバーに所属していようと、別のサーバーの特定の個人と繋がれる、ということ。
 
 
とても革新的な考えであり、その考えは今も全く古くないと思っています。
 
 
だからこそ、私は、fediverseの界隈が、もっともっと将来大きくなるだろう、と思いました。
分散型SNSの将来性に賭けた、のだと思います。
 
 
そのような考えがあったからこそ、自分のサーバーが、こんなに面倒な制約を課していたとしても、fediverse圏が大きくなって、人が増えれば、ぽつぽつと自分のサーバーに興味を持つ物好きな(失礼)人も出てくるのではないかと思ったのです。
その中の何人かが、心を通わせ、サーバーの一員になってくれて、自由気ままに過ごしてもらう。
アカウントを作った後は、基本的に日本法に触れなければ、どのように使っていただいても自由と言っていて、皆自由気ままにfelesitasのアカウントを使っています。
そうやって大きくなって、みんなと過ごせればいいな、と考えていたのです。
 
 
鯖缶の方と実際に会ってお話しをしたとき、共感できたのは、「使ってくれてありがとう」という気持ちでした。
ケチで偏屈な自分ですが、やはり一人だとさみしいですから。
 
 
私は果たして、その賭けに勝ったのでしょうか、負けたのでしょうか。
 
 
個人的な見解は、「まだ勝負はついていない」です。
最近misskeyの方で、若年層の流入があったようです。
自分の観測している限りだと、
・女性向けのスマホゲームの作品の界隈の一部(若い方)
・通話トーク?というチャットを利用している未成年の方(メールアドレスの問題があるようだ)
の二つ、どちらも小規模クラスタのかけらが引っ越してきたような印象を持ちました。
未成年のSNS利用については、様々な問題は本当にさまざまあると思うのですが、こういう感じで、新しい人が入るたびに諍いが起こるのは、考えてみれば毎度のことのように思えたりします。
(日本人のコミュニティの中でも、いろいろありましたものね)
 
 
そのたびに、定住をしている人が増えて、fediverseを気に入る人が出てきて、集まって、徐々に個人鯖をあちこち作って分散して、そうやってまたゆっくり、大きくなっていくんじゃないか、という思いはあります。
 
 
そもそも、世間の感覚では、商業的な注目は2017年で風が吹きやんだような(終わコン?)イメージがついていますが、分散SNSという仕組みとしてfediverse圏がある以上、どこかのサーバーがつぶれたから終わった、というわけではなく、すべてのサーバーがその仕組みをやめない限り、fediverseは残り続けることになります。
 
 
それに、自分の個人的なこの賭けに、勝った負けたもあまり関係なく、強いて言えば、私自身が、使っている最中も、最後までも、気分良く笑っていられたら、それは勝ちなのではないか、とも思います。
 
 
さてどうでしょうか。
皆さんはこの賭け、一緒に乗ってみませんか。
 
 

自分の誤算とこれからの課題

 
 
さて、そんなこんなでゆるりとfelesitas.cloudのモデレーターとしてやってきたわけなのですが、私は思いがけない間違いをしてしまっていたのだと痛切に感じた出来事がありました。
 
 
今年の2月、自分が書いた通知を見て、端的にここにも書き出してみます。
 
 
・fediverseが誕生してしばらく経ち、おひとり様サーバーを作るのが容易になった
 
これは、喜ばしいことです。
私はいちユーザーとして、Mastodonのサーバーを建てたときから、「もっと一般の人が簡単にサーバーを建てられたらいいのになぁ」と考えてきました。
あの当時、素人の自分が建てたころよりかは、各種サービスも充実し、おひとり様サーバーを持つのが苦ではなくなってきました。
その結果としてなのですが、自分と同じように、皆が自鯖を使って、felesitas.cloudに来てもらう頻度が少なくなってしまいました。
自分がそうだったのだから、考えてみれば当然そうなるなと思うのですが、精神的には来ました。
 
 
・この場所を守るんだ、という意識が高くなりすぎて、受け入れる心理的ハードルが高くなってしまった
 
これは本当に誤算でした。
 
鯖缶をしていると、日々いろいろなこと見ることができます。
自分が許可をして集まってきてくれた人達が、いろんな交流をして、たまに、全然分野が別の人同士が、楽しく会話が出来たりするのを見たりしていると、自分のこのサーバーを作った意義なんてものを、考えてしまいます。
 
 
また、ここでは表立って書けませんが、自分がここを作ったから生まれた関係性が生まれ、自分にとってこの場所が、「守らなくては!」と思うものに変わっていきました。
 
現在、felesitas.cloudの招待が出来るのは、自分がフォローしている方に限らせていただいているのですが、上記のような気持ちでは、既存のコミュニティの雰囲気を壊さないか、と、フォローする方の投稿を見て、この方の言葉遣い、大丈夫だろうか、など、どうしても心理的ハードルが上がってしまい、こちらに興味のありそうな人を避ける、というようなことも起きてしまいました。
 
これでは新しい風が吹くことは叶いませんね。
 
 
……というようなことを通知で書き、サーバーの中の皆に意見を聞いたりしていました。
そしてこれは追加として、
 
・仲違いをしてサーバーを抜けてしまった方がいらっしゃること
 
私はほとんど自分のサーバーに投稿された内容を見ている自負はあるのですが、表に出ることなく、いつの間にかサーバーから抜けると言い、アカウントを削除されていった方がいらっしゃいました。
私が通知を出した後詳しく話を聞いたとき、見えないところで諍いが起きていて、把握していた1件以外に把握していなかった1件もあった、ということを知りました。
 
 
私は、当初の目的を、達成できなかったことになります。
自分の目線では見えなかったけど、諍いは確かに起きてしまっていた、と。
荒れないサーバーというわけには、いきませんでした。
 
これに関しては、
・なぜ引き留めることが出来なかったのかなぁ、という方
・人間なんだから仕方ないよ、という方
がいらっしゃいました。
ただ、自分でも出来ることはもっとあったと思い返り、反省をしました。
 
 
 
上記も含め、その他にfelesitas.cloudの運営として出た意見は、
・何か内部で盛り上がるようなことが出来ればいいのでは?
・matrix等新しいものを導入してほしい
・お互いの初めに書いた「私の好きなもの」が見たい
等々が上がりました。
 
 
そして、自分なりに実行してみたのは、
内部で盛り上がるようなこととして、4周年記念の日に、もう一度各自で「私の好きなもの」を書いてみよう、という企画を立て、表に出すことが出来ました。
 

seeker-nagiko.hatenadiary.com

私は、新しく入る人と同じような感じで、アンサーを一つ一つ返していき、皆喜んでもらえたことを覚えています。

 

 

また、matrixサーバーも、悪戦苦闘しながら建てることが出来ました。

 

conventum.felesitas.cloud

最近は使用頻度が下がっていますが、当面は維持する予定です。

 

 

また、一人ひとりに許可を取ったうえで、皆が初めに書いた「私の好きなもの」を、felesitas.cloudのDiscordサーバーにアップロードし、見返すことができるようになりました。

 

 

私は最初、私が自分でHPをRailsで作成して、そこにMastodonのアカウントでログインできるページを作り、そこの中で見られるような仕組みを考えていました。

 

ただ、これが考えだけで現在まで止まってしまっており、情けない限りです。

しかも応急処置としてDiscordに貼ることもすぐに思いつかなかったのですから、阿呆と言われても仕方がありません。

 

 

主な提案で上がっていたことを出来る限り実行したうえで、自分がこの後何ができるか、何をしなければいけないかを考えると、

 

 

RailsでHPを作成する。

・そのHPのなかで、皆が使いたくなるアプリを開発し、使ってもらう

・相互のコミュニケーションを促し、相互理解が深まるように開発を進める

 

ということになってくるかと思います。

 

 

Railsに関してはRailsチュートリアルを進めている最中で、(まだやってるのか!?と言われてしまいそう、ごもっともです)もっと本腰を入れて進めないとと思います。

 

このアドカレを書いたことで過去自分が考えてきたことの振り返りと、この先の方針が見えてきて良かったと思います。

 

 

皆さま、約1万3000字にも及ぶ、私の雑文に付き合って頂きまして本当にありがとうございます。

 

 

この4年間半で出会った人、得た経験は、自分にとって得難い大切なものです。

皆さま、これからも、宜しくお願い致します。

 

 

まだ書きたかったことはありますが、それは次の機会に書くことに致しましょう。

・えすとさんと会って話したことで印象に残っていること

・分散型SNSとバーチャル、メタバース

 

 

それでは、皆さまいつもの場所で。

 

 

 

2021/12/16 アドベントカレンダーに寄せて

雨宮凪沙/nagiko